正直まさなお)” の例文
保は浜松表早馬町おもてはやうまちょう四十番地に一戸を構え、後またいくばくならずして元城内もとじょうない五十七番地に移った。浜松城はもと井上いのうえ河内守かわちのかみ正直まさなおの城である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
関根正直まさなお氏の『小説史稿』や、坪内逍遥氏の『小説神髄』や『書生気質しょせいかたぎ』や『妹背鏡いもせかがみ』や
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
中村正直まさなお訳の西国立志篇を読んだか読まぬかはまだ聞いた事がないが、いずれにしても杉山茂丸事、其日庵主きじつあんしゅの智情意をやしなった精彩が、右に述べたような漢学と通りと、馬琴、為永、経国美談
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
秘蔵したのは釣瓶つるべの上にかえるがいるのでした。正直まさなおという銘がありました、正直は何代かあったのですから、どれだか分りません。小金井は名のためではなくて、ただ気に入ったのを喜ぶのでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
韮山正直まさなおか。音で読めば正直しょうじきだから笑わしやがらあ。
好日 (新字新仮名) / 三好十郎(著)