“歛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
をさ37.5%
おさ25.0%
あつ12.5%
12.5%
をさま12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その常にぢかつくゆる一事を責められては、えざるきずをもさかるる心地して、彼は苦しげにかたちをさめ、声をもいださでゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
雪中登山の可能性にまで筆を駆ろうとした私も、想像の翼をおさめてやんぬるかなと諦めなければなるまい。
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
そのものゝ父はかの笑はしめしものを公に訟へければ、一座に連りしものより金をあつめておくり、某甲を葬りて、事解けぬとなむ。(新古文林 第一巻第五号 明治三十八年八月)
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
その瞬間、電車の響も、自動車の音も、人の話声も一時にぴったりとんで、不思議な沈黙が街を占めた。と、突然、静まり返った建物を覆すような、けたたましい電鈴ベルが鳴った。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)
以太利いたりやの風光にあくがれし詩人、シェレエが「ピサに近きカシネの松ばら」と題してものしたる歌の中に就きて、回想せし楽しき逍遥の日は「なよ風松が枝に巣ごもり、荒波海ぞこにをさまれりし」
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)