“欝金木綿”の読み方と例文
読み方割合
うこんもめん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
旦那は欝金木綿うこんもめんの風呂敷を、ちょっとはぐって見て、これを着て行くのかい、これよりか、この間の方がお前には似合うよと云った。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
百兵衞はさう言つて、内懷ろから欝金木綿うこんもめんの財布を出すと、中から大事さうに疊んだ紙片を拔取り、そのしわを寧丁に膝の上に伸して、平次の方に押しやるのでした。
それと向い合った壁際には桐の箪笥が油単ゆたんに被われて、その側に紫檀の大きな鏡台が置いてあった。その少し斜め上の壁に細棹ほそざおの三味線が一つ、欝金木綿うこんもめんの袋にはいって鴨居から下っていた。
掠奪せられたる男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)