欝屈うっくつ)” の例文
そして、近づきのない京都三界に来て、そうしたわけでそんなうち厄介やっかいになったりするのが何ともいえず欝屈うっくつであったが、それも思いつめた女ゆえとあきらめていた。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
はげしき屈托くったくの為めに欝屈うっくつせる脳力が、適宜の娯楽によりて完全なる働きを取り戻した時こそは、他界の指導者が働きかけるのに、まさに絶好の機会なのである。
けれど、ほとほと、この元禄の世代と、一般の世のあり方には、不満と欝屈うっくつを禁じ得なかった。人間として、無関心でいられない「非人道」を余りにも見せられている。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、その欝屈うっくつ伝播でんぱし、爆発する。それが果てもなく連続した。
愛のごとく (新字新仮名) / 山川方夫(著)