樗蒲一ちょぼいち)” の例文
「あっしの樗蒲一ちょぼいちがコケだったんです」と自語的しごてきに言って、チョイと片手で自分のかしらを打つ真似まねをして笑った。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
こんな土地に一年も居ると、潔白なおれも、この真似まねをしなければならなく、なるかも知れない。むこうでうまく言いけられるような手段で、おれの顔をよごすのをほうっておく、樗蒲一ちょぼいちはない。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「へ、人のかかあを張ったり樗蒲一ちょぼいち張ったり、そうは張りきれねえやな。」
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
実は過日こねえだうちを出てから、もうとても今じゃあ真当ほんとの事アやってるがねえからてめえに算段させたんで、合百ごうひゃくも遣りゃあ天骰子てんさいもやる、花も引きゃあ樗蒲一ちょぼいちもやる、抜目ぬけめなくチーハも買う富籤とみも買う。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)