どい)” の例文
写真機と手提袋を深い雨どいの中へ落し込んだ私は、手早く髪毛かみのけを解いて、長く蓬々ほうほうと垂らしました。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
水は、籠城兵にとれば、生命の水だから、おがんで使っているほどだった。それをもいまは、あらんかぎりなどいの水路を切って、一挙に敵の坑道口へむかって吐き捨てた。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その間、火箭ひや防ぎの心配はない。しかし城兵は休めなかった。次に備えて石やら大木を補充しておく労働がある。またどいを修理して城中数十の貯水槽に、生命の水を蓄めこんでおく急務もあった。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)