かまい)” の例文
「折角の申出ではあるが、それは相成らぬ。おのおのはおかまいの身分じゃ。夜中に推参して、奉行衆に逢いたいと云うのは宜しくない」
堺事件 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
やっとの思いで、ならした地面へ否応いやおうなしに、方角のおかまいなく建ててしまったんだから不規則なものだ。それに、第一、登って行く道がくねってる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それがフランチソースでその中へ生の玉葱の細かく切ったのと湯煮た青隠元あおいんげんとジャガ芋と人参にんじんなんぞをく小さく切ってあえます。外の野菜の湯煮たのを加えてもかまいません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
其のほうは此の文治を欺き五十両強請ろうとして参ったか、其の方は市中おかまいの身の上で肩書のある悪人でありながら、夫婦づれにて此の近傍かいわいの堅気の商家あきんどへ立入り、強請騙りをして人を悩ます奴
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あの厭な女におかまいでない。美しい、可哀らしいような物は
土地をおかまいになるように自分でしたのは何か。4750