“桃葉珊瑚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あおき37.5%
ておきば37.5%
あをき12.5%
ておひば12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紅葉の木に桃葉珊瑚あおきが二本、手水鉢の水落ちのきわにも手入れの届いた葉蘭のひとむらがあって、水に打たれ染め上げたばかりの緑の色艶は眼にしみるよう
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
火源は石田氏の部屋の窓から見えないが、窓のそとの桃葉珊瑚ておきばの葉に炎の色がうつって、真赤に光っている。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「ばあや、前庭の桃葉珊瑚あをきに実が一ぱいついてるよ。青い葉の間に混つて青い実がついてるものだから、まるで気がつかなかつたわ。」
花は勁し (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
壁煖炉シュミネの薪は勢いよく燃え炉辺のひとの顔を赤く染めあげた。窓のそとには濃い霧が流れ、庭の桃葉珊瑚ておひばの黒い枝が水に洗われるように見えたり隠れたりした。J伯爵がいった。
ハムレット (新字新仮名) / 久生十蘭(著)