果敢かかん)” の例文
からくも、瀬田の大橋口は、しゃ二無二突破して、光春以下、その大軍のうちへ、面もふらず駈け入るまでの果敢かかんは示したが——到底
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「続いて、果敢かかんなる日本潜水艦隊が肉薄にくはくして、数十本の魚雷を本艦の横腹よこばら目がけて猛然と発射するときは……」
耳剽じひょう口衒こうげんし、いろいつわことばいんにし、聖賢にあらずして、しかも自立し、果敢かかん大言して、以て人に高ぶり、而して理の是非を顧みず、これを名を務むるのという。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その目的は、S国の強力なる空軍が、わが帝国領土内に侵入を開始したのに対し、適宜てきぎの防衛を行うためであります。皇軍の各部隊は既にそれぞれ勇猛果敢かかんなる行動を起しました。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
きッかけは、かならず一人か二人かの果敢かかんによる。あとは、たちどころに、入りみだれての乱軍だった。猛兵というよりは盲兵のすがたである。斬りむすぶというよりは叩き合いだった。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)