“杪冬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びょうとう66.7%
せうとう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世相の急変はただに繁華な町のみではなく、この辺鄙へんぴにあってもまた免れないのである。わたくしは最初の印象を記憶するためにこの記をつくった。時に昭和九年杪冬びょうとうの十二月十五日である。
元八まん (新字新仮名) / 永井荷風(著)
衰病ニ由ルトイヘドモマタ賦性ノ然ラシムル所。コレスベキノミ。戊午杪冬びょうとう念八日箱崎邸ノ寓楼ぐうろうニ識ス。時ニ新居ノ経営イマダ成ラズ。楼上風雨寒甚シ。乳児ハ乳ニ乏シク夜間シバ/\ク。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
わたくしは榛軒弘化丁未杪冬せうとうの詩と、曾能子刀自の記憶する一話とを此に併せ録する。詩に云く。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「飽食暖衣愧此身。又逢四十八青春。少年宿志渾灰燼。遂作尋常白首人。」此詩の転結は四年前杪冬せうとうの七律第七八と殆全く同じである。皆稿を留めざる矢口肆筆しこうしひつの作である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)