朝餐あさめし)” の例文
と、そこへ、辰男は梅干で茶漬の朝餐あさめしを濟まして、齒を吸ひ/\上つて來たので、勝代は押入から洋服を取り出してやつて
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
被告の身にとつては人のい、福々ふく/″\した、朝餐あさめしうまく食べた裁判官に出会でくはすといふ事が大切だいじだが、原告になつてみると、平常いつも不満足たらしい
すべて恁麽こんな具合で、朝餐あさめしも濟んだ。其朝餐の時は、同じ食卓に源助夫婦と新さんとお八重お定の五人が向ひ合つたので、二人共三膳とは食へなかつた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
朝餐あさめしの午餐は赤の飯だ。今日は細君の誕生日たんじょうびである。昨日何か手に隠して持って来たのを、開けて見たら白髪しらがが三本だった。彼女にも白髪がえたのだ。余は十四五から五本や十本の白髪はあった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
すべてが恁麽こんな具合で、朝餐あさめしも済んだ。其朝餐の時は、同じ食卓ちやぶだいに源助夫婦と新さんとお八重お定の五人が向ひ合つたので、二人共三膳とは食へなかつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
があけて、タフト氏が朝餐あさめしの席につくと、亭主はをしながら御機嫌伺ひに出て来た。
栄一は早く起きて海岸を散歩してきたが、朝餐あさめし後に一時間ばかり読書すると、また外へ出ようとして階子段はしごだんの方へ行きかけたが、ふと振返って、「辰。……山へ登ってみんか」と誘った。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)