昏々こん/\)” の例文
かう言ひふくめたのは、ツイ三日前、その翌る日は三右衞門、二度目の中風に當つて、正氣を失つたまゝ、昏々こん/\と睡つてばかり居るのです。
お末は抵抗もせずに眼をつぶつてぐつと飲みした。それから暫くの間昏々こん/\として苦しさうな仮睡まどろみに落ちた。助手は手を握つて脈を取りつゞけて居た。
お末の死 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
なろう事なら、己はいつ迄もいつ迄も、メリー嬢の魔術にしばられたまゝ、めい煌々こう/\たる舞台のまん中に、口をあんぐり開いて、観客の嘲笑を浴びて、昏々こん/\と眠って居たかった。………
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
恐らくその時は、昏々こん/\として麻睡ますゐせられてゐたのでせう。
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
昏々こん/\として眠つて居る姿です。