ひさ)” の例文
旧字:
左内いよいよ興に乗じて、れいの議論きはめて一三〇妙なり。ひさしき疑念うたがひ今夜こよひせうじつくしぬ。こころみにふたたび問はん。
すべて此の里のふるき人は兵乱ひやうらんの初めに逃失にげうせて、今住居する人は大かたほかより移り来たる人なり。只一人ひとりおきなの侍るが、一三四所にひさしき人と見え給ふ。
寺院遠ければ一五一贈号おくりなを求むる方もなくて、五とせを過し侍るなり。今の物がたりを聞くに、必ず烈婦さかしめたまの来り給ひて、ひさしき恨みを聞え給ふなるべし。