旦那方だんながた)” の例文
旦那方だんながた」と千本のあるじの和助が前へ出て来た、「おめえさん方あその子供をそのまま連行するつもりかえ」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
しかし器械的に働いてゐる船頭は、次第に醒覚せいかくして来て、どうにかして早くこの気味の悪い客を上陸させてしまはうと思つた。「旦那方だんながたどこへおあがりなさいます。」
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
はい、……えゝ、東京とうきやうからござつた旦那方だんながたのつもりで相談さうだんたしつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
子供の時私は小僧と言われていた、そして今では爺さんと人が言ってくれる。それが私の洗礼名だ。どう考えようとそれは旦那方だんながたの勝手だ。私はオーヴェルニュにもいたし、ファヴロールにもいた。
「お、じゃ、旦那方だんながたもおでかけですか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)