施行しこう)” の例文
しかし、痛手の急性の現われは何といっても、この春財界を襲った未曾有みぞう金融きんゆう恐慌きょうこうで、花どきの終り頃からモラトリアムが施行しこうされた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しかしこの種の手術を施行しこうするについては、瀬尾せお教授のやっておられるように、くまで公明正大でなければならぬと思う。
大脳手術 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あるいは事のせいを期すること急に過ぎ、あるいはその事を施行しこうすることげきに過ぎて、心事の本色を現わすこと能わざるのみ。
教育の目的 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
明治六年の太陽暦施行しこうの年には、新暦十一月の第二の卯の日が二十三日であった。よってこの日をもって爾後じご毎年の新嘗祭日にしようという御沙汰書ごさたしょが残っている。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
もし其野宿そののじゆくなにかの練習れんしゆうとして效能こうのうみとめられてのことならば、それも結構けつこうであるけれども、病人びようにんまでもその仲間なかまれるか、また病氣びようきおこしてまでもこれを施行しこうするにおいては
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)