於市おいち)” の例文
於市おいち、すまねえ。おらあ考えた。もう何もいわねえ……。火あぶりにでも、獄門にでもして、おめえも、存分、おれに恨みをはらしてくれ」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……なあ、於市おいち、おめえは、あんなに実意のある女を、かわいそうと思わねえのか。子どもなんざ、ままになれだが、ああまでじょうの深い女はめずらしい。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元服前の小童は、それを呼ぶのに、女子のように、名の頭字かしらじに「お」をつけて、市松を於市おいちとか、虎之助を略して於虎という風によぶのは、その頃のならわしだった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わかるめえ。わからねえはずだよ、於市おいち。四年ぶりだもの。ああ、なつかしいなあ、この部屋も」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけて長政にとっては、妻の於市おいちの兄にあたる信長である。かつては、義弟おとうとの自分にも優しい人であっただけに、信長の真に怒った形相ぎょうそうが、ふと、正直な本心を慄然りつぜんとさせた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
於市おいちどの。おいッ、於市どのッてば。——殿さまがもうお目ざめだぞ」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつての加藤於虎おとら、福島於市おいち脇坂甚内わきざかじんない、片桐助作すけさく、平野権平ごんぺい、大谷平馬へいま、石田佐吉などのいわゆる子飼こがいの子どもたちも、いまはことごとく二十四、五から三十近い若者となり、殊にしずたけこのかたは
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小姓の於市おいちと於虎は、主君のうしろで居眠っている。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
於市おいちは、年上であるぞ」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
於市おいち於虎おとら
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)