“故道”の読み方と例文
読み方割合
ふるみち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と正吉が言う処を、立直って見れば、村の故道ふるみちを横へ切れる細い路。次第だかの棚田にかかって、峰からなぞえに此方こなたへ低い。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
峠のこの故道ふるみちは、聞いたよりも草が伸びて、古沼の干た、あししげりかと疑うばかり、黄にも紫にも咲交じった花もない、——それは夕暮のせいもあろう。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
車夫は新道の葉かげから、故道ふるみちの穂ずれに立った、お鶴の姿をきょろきょろと、ためつ、すがめつ。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)