“擎(さ)” の例文
そして児島は只この美人の擎(さ)げ来った橘飩を食ったばかりであった。小幾は今某政党の名高い政治家の令夫人である。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
家の内を隈無(くまな)く尋ぬれども在らず、さては今にも何処(いづこ)よりか帰来(かへりこ)んと待てど暮せど、姿を晦(くらま)せし貫一は、我家ながらも身を容(い)るる所無き苦紛(くるしまぎ)れに、裏庭の木戸より傘(かさ)も擎(さ)さで忍び出でけるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)