押仰向おしあおむ)” の例文
言下に、床板を跳ね、その穴より黒潮騎士こくちょうきし大錨おおいかりをかついであらわる。騎士二三、続いて飛出づ。美女を引立て、一の騎士がさかしまに押立てたる錨にいましむ。錨の刃越はごしに、黒髪の乱るるを掻掴かいつかんで、押仰向おしあおむかす。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)