打扮いでた)” の例文
かく思ひつゞくる程に、我心は怏々あう/\として樂まずなりぬ。忽ち鈴つけたる帽を被れる戲奴おどけやつこ、道化役者、魔法つかひなどに打扮いでたちたる男あまた我めぐりをどり狂へり。
と身軽に打扮いでたち、るもいとわず出立いたしますると、途中から愈々いよ/\雨がはげしくなりましたので、余儀なく一泊いたしまして、翌日二居峠の三俣村という処へまいります。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
職人の衣類を捨て故々わざ/\藻西の如き商人の風に打扮いでたちプラトを連れて老人の許へ問行といゆきしなり、是だけにて充分藻西に疑いの掛るならんと思いたれど猶お念の上にも念を入れ、老人の死骸の手を取り
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
この時我はぬけ道の前に立ちたるが、道化役プルチネルラ打扮いでたちたる一群たはむれに相鬪へるがために、しばし往還の便を失ひて、かの婦人と向きあひゐたり。我はすなはちこれに對して論じていはく。君よ。