才走さいばし)” の例文
見たところ、綺麗で、才走さいばしつて、身だしなみがよくて、知らないものが見たら、此方が平次の女房で、お靜を妹とでも思ふことでせう。
おなむらに、与助よすけという才走さいばしったおとこんでいました。このおとこは、きわめて口先くちさきのうまい、他人たにんをそらさぬので、みんなからりこうもの与助よすけといわれていました。
おおかみと人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
道江の言葉づかいは、以前に変わらず素直すなおで、すこしも才走さいばしったところがなかった。それが、かつては、次郎に道江を平凡へいぼんな女だと思わせた一つの理由だったが、今はまるでちがった感じだった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「金之助は才走さいばしつて人間がするどくて、調子がよくて、男が良い」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)