意気張いきばり)” の例文
そぞろに門附かどづけを怪しんで、冥土めいど使つかいのように感じた如きは幾分か心が乱れている。意気張いきばりずくで死んで見せように到っては、益々ますます悩乱のうらんのほどが思いられる。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
故郷ふるさとの京の色香に江戸の意気張いきばりを持って、仲之町でも、葭町でも、小さんといって、立てられた蝶吉の母は年紀としわずかに三十三、最後の大厄で、その日の晩方、男は自分で見立てろと言って遺言して
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)