意地汚いじきたな)” の例文
やがて意地汚いじきたな野良犬のらいぬが来てめよう。這奴しゃつ四足よつあしめに瀬踏せぶみをさせて、いと成つて、其のあと取蒐とりかからう。くいものが、悪いかして。あぶらのない人間だ。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
仮りに意地汚いじきたない子供があって、どちらのグラスを取った方が利益かと、目を大きくして見比べたとしても、彼はいつまでたっても選択せんたくが出来なかったに相違ない。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
総じて寝ていても口を結んだ奴は、ふたをした貝だと思え。うかつにはしを入れると最後、大事な舌を挟まれる。やがて意地汚いじきたなの野良犬が来てめよう。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)