情愛なさけ)” の例文
常に晴れわたる五月の青空の心を持ち、唇を噛む事を知らずに、温い人の情愛なさけに取圍まれて暮す世界を描いてゐた。
いかにってげ出したような性質もちまえがさする返答なればとて、十兵衛厭でござりまするとはあまりなる挨拶あいさつひと情愛なさけのまるでわからぬ土人形でもこうは云うまじきを
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
如何に伐つて抛げ出したやうな性質もちまへが為する返答なればとて、十兵衞厭でござりまするとは余りなる挨拶、ひと情愛なさけの全で了らぬ土人形でも斯は云ふまじきを、さりとては恨めしいほど没義道な
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)