恋情れんじょう)” の例文
旧字:戀情
これはむろん恋情れんじょうからではありません。ただむかしの愛情の思い出と、あなたに、お聞きしたかったことが、聞けなかった心残りからです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
そして、我ながらいじらしいことだが、わたしの胸の恋情れんじょうは、なんという新しい力をもって、燃え立ったことだろう!
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
まだ心の底に燃えつづけている道江への恋情れんじょう、恭一に対する嫉妬しっと、馬田に対する敵意、曽根少佐や西山教頭を通して感じた権力に対する反抗心はんこうしん、等々が
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
私もまた最近では、あの歌の主の存在を必要とし、あの歌声に恋情れんじょうをもよおしているような気がしたのである。
軍国歌謡集 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
憎悪ぞうおと自責とが恋情れんじょう燈火とうかのまわりをぐるぐると回転した。それは際限のない回転だった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ぼくは、そのにおいのなかに、恋情れんじょうの苦しさをあまくするすべを発見したのでした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)