怪鳥かいちょう)” の例文
怪鳥かいちょうのなき声のようなものが、かすかに聞こえてきました。こうもり男が、少女たちを、あざ笑っていたのです。
塔上の奇術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
いつしか太陽の光は木々のこずえによってさえぎられ、夕方のようにうすぐらくなってきた。山の冷気がひんやりとはだえに迫る。名もしれない怪鳥かいちょうのこえ!
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)
密林鬱乎うっことして怪鳥かいちょう梢に鳴く深山を行くこと二里余、初めて広々とした高原へ出た。ここから左方に高原たかはらの山がそびえて見える。右方の栗の古木は栗山くりやまヘ続く林だということだ。
ほのおにたわむれる怪鳥かいちょうのなき声でしょうか。いやいや、そうではありません。鳥が笑うはずはないのです。それは、気ちがいのような人間の笑い声でした。
魔法人形 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
怪鳥かいちょうが、しきりに洞窟内をとびまわっていた。そしてぎゃあぎゃあきみのわるい声で泣いた。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
片輪者は雛鶏ひよっこの様に歯のない口を黒く大きく開いて、「イヤー」と、怪鳥かいちょうの悲鳴を上げ、逃げ出す力はないので、片っ方けの細い腕を、顔の前で左右に振り動かして、敵を防ぐ仕草しぐさをした。
悪霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)