怨敵退散おんてきたいさん)” の例文
この夜は別して身をきよめ、御燈みあかしの数をささげて、災難即滅、怨敵退散おんてきたいさんの祈願をめたりしが、翌日あくるひ点燈頃ひともしごろともなれば、又来にけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あのそのうすものを透くと聞きましただけでも美しさが思いられる。寝てから膚を見たは慄然ぞっとする……もう目前めさきへちらつく、ひとりの時ならすずを振って怨敵退散おんてきたいさんと念ずる処じゃ。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)