怡楽いらく)” の例文
旧字:怡樂
此声の如何に高かつたかは、自分が悠々たる追憶の怡楽いらくの中から、俄かに振返つて、其児供のゆびさす方を見たのでも解る。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
おおよその人が老年になって、往事を無邪気に顧みて、ただそれなりにしわばんだ口辺こうへんに微笑をたたえ得るならば、それでも人生の静かな怡楽いらくが感ぜられもし、またその境地で満足してもいられよう。