怜悧さと)” の例文
怜悧さとき浪子は十分にんで、ああうれしいかたじけない、どうぞ身をにしても父上のおためにと心に思いはあふるれど、気がつくほどにすれば
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
遠洋航海より帰り来て、浪子のやせしを見たる武男が、粗豪なる男心にも留守の心づかいをくみて、いよいよいたわるをば、いささか苦々にがにがしく姑の思える様子は、怜悧さとき浪子の目をのがれず。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)