忌籠いみごも)” の例文
りっぱな僧たちを集めて忌籠いみごもりの念仏をさせることは普通であるが、なおそのほかに法華ほけ経をも院がお読ませになっているのも両様の悲哀を招く声のように聞こえた。
源氏物語:41 御法 (新字新仮名) / 紫式部(著)
すなわち彼はまた忌籠いみごもりの役でもあったと見られる。或いは意をもって迎えるからかも知れぬが、稲実という語は、飯料や造酒料の外では無かったろうかという気がする。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そうでなければ大昔神に仕えた清い女が、泉のほとりに忌機殿いみはたどのを建てて、三月みつき二月ふたつきその中に忌籠いみごもりして、神の衣を織っていたという伝説は、これを理解することができぬのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)