心着こころづけ)” の例文
奥さんが手切てぎれなり心着こころづけなり下すった幾干いくらかの金子かね資本もとでにして、初めは浅間の額堂裏へ、大弓場を出したそうです。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この事は、酒井先生も御承知で、内証ないしょうで飯田町の二階で、直々じきじきに、お蔦に逢って下すって、その志の殊勝なのに、つくづくうなずいて、手ずから、小遣など、いろいろ心着こころづけがあった、と云う。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)