御礼おんれい)” の例文
旧字:御禮
何べんもはきかけて下さいましたので、二千年も昔に生き返る事が出来たのです。その御礼おんれいに今日は国中の者を集めて御馳走をします
黒い頭 (新字新仮名) / 夢野久作海若藍平(著)
富「へい、お召に依って權六罷出まかりでました、お目見え仰付けられ、權六身に取りまして此の上なく大悦たいえつつかまつり、有難く御礼おんれい申上げ奉ります」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
家康は将軍職を退き、この春の三月には二代将軍を継承した秀忠ひでただが、御礼おんれいのため上洛するのであろうと、洛内らくないは景気立っている。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早速御礼おんれいかたがた御挨拶ごあいさつ可申上之もうしあぐべきの処、病気にかかり頃日来けいじつらい机に離れて横臥おうが致しをり候ひしため延引えんいん致候。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
その、山のように撒くおひねりのなかに、たった一つ、道場のお嬢様萩乃はぎのの手で、吉事ならば紅筆べにふでで、今日のような凶事きょうじにはすみで、御礼おんれいと書いた一包みの銭がある。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
何の因縁いんねんにてか、再びかかる処にて御目おんめにはかかりたるぞ、これも良人おっとや小供の引き合せにて私の罪をいさせ、あなた様に先年の御礼おんれいを申し上げよとの事ならん。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「ありがたきしあわせ。朝月にかわって御礼おんれい申し上げます」
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
「危うきところをご助勢下され、何と御礼おんれいの申しようもござらぬ。拙者は納戸頭なんどがしら正木作左衛門でござる」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では、御礼おんれいを」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)