御猶予ごゆうよ)” の例文
「私は天満てんまの目明し万吉と申すものでござります——。しばらく、御猶予ごゆうよを願いとう存じます」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ではあたくし、これから鳥度ちょっと行って調べて参ります。四五日の御猶予ごゆうよを下さいませ
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何分御猶予ごゆうよいたすことが出来ませんから、そのお積りで、お間違のないよう。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
何とぞ、両三日の間、切腹の儀御猶予ごゆうよの上、もう一応、御詮議のほどを願い上げまする
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日むを得ません主命で、主人も少々現金の必要に迫られましたものですから止むを得ず期限通りにお願い致しまする次第で、何の御猶予ごゆうよも致しませんで、誠に恐縮きょうしゅく致しておる次第でござります。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「——御猶予ごゆうよはなりませぬ。秀次様の御人数、総くずれと、聞えてまいりました」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よろしゅうござる。……では、それがしの一存でござるが、こよいこく(十時)までの御猶予ごゆうよをねがいたい。亥の刻ともなれば、かならず御母子の身は城外へお移し参らせまする」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(右大臣家の御命とあらば、否やはありませぬが、数日の御猶予ごゆうよを)
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『あれを売られては困り入る。せめて、もう二月ほどの御猶予ごゆうよを』
鍋島甲斐守 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「書院へお通し申せ。そして、しばしの間、御猶予ごゆうよとな」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『ああそうか。郡兵衛どの、では少し、御猶予ごゆうよください』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「数日の御猶予ごゆうよを願わしく存じまする」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)