得為えな)” の例文
阿闍梨『よもや、それまでは得為えなすまじと思いしに、まことに首を持ち来りしか。(暫時深き思い入れ。また思い返して)然し源右衛門、約束は約束。首の数は二つであった筈だが』
取返し物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
もし彼をして力を絵画に伸ばさしめば日本画の上に一生面を開き得たるべく、応挙おうきょ輩をして名をほしいままにせしめざりしものを、彼はそれをも得為えなさざりき。余は日本の美術文学のために惜む。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)