“彼(カ)” の例文
彼(カ)の人の眠りは、徐(シヅ)かに覚めて行つた。まつ黒い夜の中に、更に冷え圧するものゝ澱んでゐるなかに、目のあいて来るのを、覚えたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
 降りつゝ歌ふ彼(カ)がいさほ
ハンニバル雪のアルプ越 (新字旧仮名) / 槙村浩(著)
彼(カ)の人の眠りは、徐(シヅ)かに覺めて行つた。まつ黒い夜の中に、更に冷え壓するものゝ澱んでゐるなかに、目のあいて來るのを、覺えたのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
彼(カ)の人の眠りは、徐(シヅ)かに覺めて行つた。まつ黒い夜の中に、更に冷え壓するものゝ澱んでゐるなかに、目のあいて來るのを、覺えたのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
といふ言葉を前提に、彼(カ)れこれ小半時も、頑是のない耳を相手に、滞り勝ちな涙声で話してゐたが、大抵は覚えてゐない。
身毒丸 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その唸(ウメ)き声のとほり、彼(カ)の人の骸(ムクロ)は、まるでだゞをこねる赤子のように、足もあがゞに、身あがきをば、くり返して居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
纔(ワヅ)かにさす薄光りも、黒い巌石(ガンセキ)が皆吸ひとつたやうに、岩窟(イハムロ)の中に見えるものはなかつた。唯けはひ——彼(カ)の人の探り歩くらしい空気の微動があつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
膝が、肱が、徐ろに埋れてゐた感覺をとり戻して來るらしく、彼(カ)の人(ヒト)の頭に響いて居るもの——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
膝が、肱が、徐ろに埋れてゐた感覺をとり戻して來るらしく、彼(カ)の人(ヒト)の頭に響いて居るもの——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
明りに照し出されるほど、まとまつた現(ウツ)し身(ミ)をも、持たぬ彼(カ)の人であつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
明りに照し出されるほど、纒つた現(ウツ)し身(ミ)をも、持たぬ彼(カ)の人であつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)