引付衆ひきつけしゅう)” の例文
左右に居流れたは検断所のつかさ、評定衆、問注所の司、引付衆ひきつけしゅう越訴おっそ奉行、祗候人しこうにんの人々で、同じくいずれも武装していた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
引付衆ひきつけしゅう問注所もんちゅうじょ執事、侍どころ所司しょし、検断所、越訴えっそ奉行などのおびただしい鎌倉使臣が居留しているその政治的聚落じゅらくも、いつか百年余の月日をここにけみしていた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そもそもこの青砥左衛門尉藤綱を抜擢ばってきして引付衆ひきつけしゅうにしてやったのは、時頼である。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ことしは、高時が病中で上覧桟敷さじきはさびしいが、北条一門、執権代しっけんだい、連署、引付衆ひきつけしゅうなどの歴々の顔は欠けまい。——そして、佐々木道誉も来ていよう。……直義の不安は、だんだんに増していた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)