廻道まわりみち)” の例文
「手前どもの、ついそばだったんでございますけれど、少し廻道まわりみちをしたんですよ。大それた……お連れ申して歩行あるいて済みません。もう直きそこにございますから。」
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は一度何かで学校が早く終った時、態々わざわざ廻道まわりみちをして其前を通って見た事がある。三味線さみせんのお師匠さんと違って、琴のお師匠さんのうちは格子戸作りでも、履脱くつぬぎに石もあって、何処か上品だ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その近処の病家へきました時に、其家そこの作男が、沼を通りがかりに見て来たって、話したもんですから、やど貴下あなた好事ものずきにその男を連れて帰りがけに、廻道まわりみちをして、内の車夫わかいしゅに手伝わして
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)