庭土にわつち)” の例文
ふたりの死骸は、すでに運び去られてあったが、血汐を吸った庭土にわつちには、まざまざと濡れているあとがあった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
窓のそとは、くゎッと明るくて、樹々きぎの葉も、庭土にわつちも、白く燃えあがっているのに、部屋の隅々はおんどりとうす暗くていろいろな家具が、畳の上によろめくようなかげを落している。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
たらりと下がった緋縮緬ひぢりめんにからんで白いはぎがそこから庭土にわつちを踏もうとすると
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)