居眠いねぶ)” の例文
とにかく安々と夜明まで寝て、眼がめた時は、もう居眠いねぶりはしていなかった。通例のごとく身体全体を畳の上につけて長くなっていた。そうしてよだれを垂れている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
せがれのそばで半ば居眠いねぶりをしていた親乞食がせがれがかように申しますのを聞いて
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
その毛は五分ごぶくらいなのと一寸いっすんくらいなのとがまじって、不規則にしかもまばらにもじゃもじゃしている。自分が居眠いねぶりからはっと驚いて、急に眼を開けると、第一にこの頭がひとみの底に映った。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)