尖端的せんたんてき)” の例文
もっとも尖端的せんたんてきな若い進歩主義者の一人として、とほうもない内容を持ったある面白い団体で、重要な役割を働いているとの噂を聞いた。
銀座にはうまい珈琲コオヒーや菓子を食べさすうちが出来、勧工場かんこうばの階上に尖端的せんたんてきなキャヴァレイが出現したりした。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
なにかぼろい大仕事をして成上った人物で、教育なんぞはないくせに、尖端的せんたんてき文化の乱食者らんじきしゃであることが、絵に描いてあるように、光枝にははっきり見えるのだった。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
フランスの尖端的せんたんてきな音楽家「六人組」の年長者、生真面目きまじめな音楽にとんでもない諧謔味かいぎゃくみを持たせ、かえって一種の真迫性しんぱくせいを出した作品がある。レコードははなはだ少ない。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
東京から来るのもあり、仙台あたりから来るのもあり、尖端的せんたんてきな歌劇の一座ともなれば、前触れに太鼓や喇叭らっぱを吹き立て、冬ごもりの町を車で練り歩くのであった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そのころの尖端的せんたんてきな唯一のカフエへ紹介されて、集まって来る文学者や画家のあいだに、客分格の女給見習いとして、夜ごと姿を現わしたりしていたものだったが
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)