封袋ふうたい)” の例文
溝端みぞばた片陰かたかげに、封袋ふうたいを切って晃乎きらりとする、薬のすずひねくって、伏目に辰吉のたたずんだ容子ようすは、片頬かたほ微笑ほほえみさえ見える。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
世評に善くいはるる人も、実際はそれ程の大人物に非ず、悪くいはるる人も、亦それ程の悪人にあらず、古今皆しかり。個人の貫目くわんめを量らんには、世評の封袋ふうたいを除くことを忘るべからず。
大久保湖州 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)