しら)” の例文
しらべあぐみ、廻り廻ってこの小屋へ来た藤吉、年久しく使いもしないと見えて朽ちた板戸に赤錆びた錠が下りている。開きそうもない。
安重根 先刻も軍隊のほうからしらべが来ました。うるさくて寝られやしません。いったいどうしたというんです。
さても斯様かように持て余されたる。数も知れない狂人たちは。どこでどうして片付けられるか。さても不思議としらべてみたれば。サアサこれから又聞き事だよ。耳も聞こえず眼玉も見えない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それをしらべるための、これもその一つであるということも、もちろん一空さまは、伊之吉にうち明けたのだ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そこは一応入場者をしらべて切符を発行するところだった。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
早朝、忠相は非公式に右近をしらべて、伊勢の名家めいかと知り、山田奉行当時の友人のむすこではあり、且つ人違いで当の喬之助ではないので、お絃とともに許してやる。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
おっと立会いの上で身体からだしらべてみたら、案の定、乳の下の帯の間から、失くなった珊瑚が出てきた。
築土つくど八幡の家からは喬之助妻園絵をはじめ、弟の琴二郎まで召捕めしとられてしらべを受けている。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
これに端緒たんちょを得た忠相は、用人に命じ、みずからも手をくだして乾坤二刀争奪のいきさつから、それに縦横にまつわる恋のたてひきまで今はすっかりしらべあがっているのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
今にも同心でも引き返して来て自分に対してもしらべがあるだろう。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しらべの順序だから取急ぎ吟味与力ぎんみよりきの出張を求めた。