“寒夜”の読み方と例文
読み方割合
かんや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてシンプソン病院を辞去じきょしたのであるが、彼は寒夜かんやの星をあおぎながら、誰にいうともなく、次のようなことをつぶやいたのだった。
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いつか身は不治のやまいに腸と胃とを冒さるるや寒夜かんやに独り火を吹起ふきおこして薬飲む湯をわかす時なぞ親切に世話してくれる女もあらばと思う事もあったが
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それから又二十三日の記に、「此(八)の八を草して黎明れいめいに至る。つひに脱稿せず。たうときものは寒夜かんやの炭。」とあり。なんとなく嬉しきくだりなり。(八)は金色夜叉こんじきやしやの(八)。(八月二十一日)
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)