富山とみやま)” の例文
「ださうだね。なにしろ、ふねまはるか、富山とみやまのぼらないぢやあ、松島まつしま景色けしきろんずべからずと、ちやんといましめられてるんだよ。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「帯月発荒駅。衝雨尋古碑。」此より塩釜に遊び、富山とみやまに上り、石の巻に出た。「塩浦過群嶼。宛如局上棋。(中略。)富山又石港。探勝路逶迤。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
定次郎氏の家は神田富山とみやま町にあって、私も折々同氏を訪問し、妹の人とも顔は見知っている。
「僕、僕、富山とみやま!」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
ふねでなけりや、富山とみやまふのへのぼるだね。はい、其処そこだと、松島まつしまのこらず一目ひとめえますだ。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うでがすね、これから、富山とみやまへおのぼりにつては、はい、一たらずだ、一息ひといきだで。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)