宗廟そうびょう)” の例文
(陛下には、まだ九五きゅうごの御位について日も浅いのに、ふたたびここで大戦を起すなどは、決して、宗廟そうびょうの政を重んずるゆえんでない)
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その子孫は地位と名誉と富と長寿を保つことができたのであり、『中庸』がこのことを『宗廟そうびょうこれをうけて子孫これを保つ』
方孝孺に語りたまわく、燕王は孝康こうこう皇帝同産どうさんの弟なり、ちん叔父しゅくふなり、われ他日宗廟そうびょう神霊にまみえざらんやと。孝孺曰く、兵一たび散すれば、急にあつむ可からず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
とうには道教が盛であった。それは道士等どうしらが王室の姓であるのを奇貨として、老子を先祖だと言いし、老君に仕うること宗廟そうびょうに仕うるがごとくならしめたためである。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「思うに、いくたびか、存亡の淵を経ながらも、今日なお、国家の宗廟そうびょうが保たれていることは、ひとえに、御身のような忠節な臣のあるおかげだ」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また故無きにあらず。兵馬の権、他人の手に落ち、金穀の利、一家の有たらずして、将帥しょうすい外におごり、奸邪かんじゃあいだに私すれば、一朝事有るに際しては、都城守るあたわず、宗廟そうびょうまつられざるに至るべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一万余人の百姓や人夫を動員し、数千の兵を督して、前日から、帝室の宗廟そうびょうの丘に向い、代々の帝王の墳墓から、后妃や諸大臣の塚までを、一つ残さず掘りあばいたのだ。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
総帥袁紹えんしょうの本営でも、旧朝廷の建章殿のほとりを本陣として、内裏だいりの灰を掻かせたり、掘りちらされた宗廟そうびょうに、早速、仮小屋にひとしい宮を建てさせたりして、日夜、戦後の始末に忙殺されていた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)