宗家そうか)” の例文
名は信恬しんてん、通称は辞安じあんという。伊沢うじ宗家そうか筑前国ちくぜんのくに福岡ふくおかの城主黒田家くろだけの臣であるが、蘭軒はその分家で、備後国びんごのくに福山の城主阿部伊勢守あべいせのかみ正倫まさともの臣である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
謀叛僧文覚もんがく荒行あらぎょうをやった那智なち大瀑おおだき永久えいきゅうみなぎり落つ処、雄才ゆうさい覇気はきまかり違えば宗家そうかの天下をひともぎにしかねまじい南竜公なんりゅうこう紀州きしゅう頼宣よりのぶが虫を抑えて居た処
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
渋江氏の仕えた大田原家というのは、恐らくは下野国那須郡なすごおり大田原の城主たる宗家そうかではなく、その支封しほうであろう。宗家は渋江辰勝の仕えたという頃、清信きよのぶ扶清すけきよ友清ともきよなどの世であったはずである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
秩禄ちつろく宗家そうかと同じく二百俵三十人扶持である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)