学舎まなびや)” の例文
……いや怖かろう、あいつは、日野の学舎まなびやにいても、叡山えいざんにいても、師に取り入るのが巧く、長上にへつらっては、出世したやつだ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
校庭も広く、樹木も多く、そして周囲は塀の代りに、ただ生垣がめぐらしてあるだけの、木造の素朴な学舎まなびやである。しづちゃんの通信簿を見せてもらった。唱歌に、図画に、書方がいい成績である。
前途なお (新字新仮名) / 小山清(著)
わが学舎まなびやの窓に立てるかな
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
日野の学舎まなびやで、自分より小さい者に、学問や素行においても、絶えずおくれていたことが、幼少の魂に沁みて、口惜しくて、忘れられないのか。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ほう……、では、日野の学舎まなびやでこの身と共に机をならべていた寿童丸は、いまでは、行方が知れぬのか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)