妖婉ようえん)” の例文
一方ヘロデ・アンチパスもまた淫乱にして残酷なる人物であったから、ヘロデヤの妖婉ようえんに迷いてその妻アレタスを棄てました。
不幸にも時と所とを間違えて天上から送られた王女であるとまで自分に対する矜誇ほこりに満ちていた、あの妖婉ようえんな女性はまごうかたなく自分なのだろうか。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
しかし、それは限られた一部で、プシホダの魅力は、歳と共にかわり、その妖婉ようえん華麗なヴァイオリンは、大衆からの支持を受けることに、なんの変りもない。
「クロイツェル・ソナタ」はおよそベートーヴェンの作品中でも妖婉ようえん華麗極まるものだが、私は昔のコロムビアに入ったフーベルマンとフリートマンに今でも驚嘆的きょうたんてきなものを感じている。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)