女夜叉にょやしゃ)” の例文
かつて、櫛まきお藤が与吉の口から弥生に対する丹下左膳の恋ごころを聞かされて一変、緑面りょくめん女夜叉にょやしゃと化したあの場所だが。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「そりゃ、女夜叉にょやしゃかもしれないわ。ただ、こんな女夜叉にょやしゃにほれられたのが、あなたの因果だわね。——まだうたぐっているの。じゃわたし、もう知らないからいい。」
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
禰宜 もない事、この女夜叉にょやしゃ悪相あくそうじゃ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いや、それよりはこれまでのどの仏菩薩の御像おすがたにも似ていないのでございます。別してあの赤裸あかはだか幼子おさなごいだいてるけうとさは、とんと人間の肉を女夜叉にょやしゃのようだとも申しましょうか。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
外見そとみ女菩薩にょぼさつ内心ないしん女夜叉にょやしゃに、突如湧いた仏ごころ。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)