女主人公じょしゅじんこう)” の例文
女主人公じょしゅじんこうの熊野をつとめた婦人は、このお腰元にくらべていたく品形しなかたちおとっていたので、なぜあの瓢箪ひょうたんのようなのがシテをする。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
保吉 女主人公じょしゅじんこうは若い奥さんなのです。外交官の夫人なのです。勿論東京のやま邸宅ていたくに住んでいるのですね。
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
雪江さんが相手の女主人公じょしゅじんこうで、紛紜ごたごたした挙句に幾度いくたびとなく姦淫するのを、あやふやな理想や人生観でまぎらかして、高尚めかしてすじりもじった物であったように記憶する。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
女主人公じょしゅじんこうはマリアでなければクレオパトラじゃありませんか? しかし人生の女主人公は必ずしも貞女じゃないと同時に、必ずしもまた婬婦いんぷでもないのです。
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
とにかく西洋間さえあればいのです。その西洋間か、銀座通りか、音楽会かを第一回にするのですから。……しかし妙子たえこは——これは女主人公じょしゅじんこうの名前ですよ。
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこでその女主人公じょしゅじんこうと云うのが、いろいろ数奇さっきな運命にもてあそばれた結果だね。——
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし、——保吉はまだ東西を論ぜず、近代の小説の女主人公じょしゅじんこうに無条件の美人を見たことはない。作者は女性の描写になると、たいてい「彼女は美人ではない。しかし……」とか何とかことわっている。
お時儀 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)